小林一三 最後のスピーチ

久しぶりに諸君に会えて誠に喜ばしい限りです。
私はね、これからのニッポンというものをいろいろ考えておるわけです。
専門家の話も聞き、研究もし、この国は素晴らしい国になるという結論を持っています。
ただ、ただそうなるには一つ条件があるんです。
それはね、皆さんが全員働くことです。
働くというのはね、働くというのは、本来とっても楽しいことなんです。
夢を描いてね。
知恵を絞る。
努力をする。
其の果てに笑ってくれる人がいる。
そして、その対価として報酬が付いてくる。
これがね、楽しい!
実に楽しいことなんですよ。
自分の人生がここにあると感じることができる。

努力はね、絶対に報われなきゃなりません。
報われるとうれしいでしょ!
立場が変わったら、今後は報いようとするでしょ。
そういう循環を持つ社会は、たのもしいことになると思うんです。
皆さんは知らないでしょうね。
働いても働いても報われない、そんな時代が長く続いてしまいましたからね。
ですが皆さんは、兎にも角にも生き抜いてここにいる。
生き抜いて、今ここにいることができる。
ここまで、今日迄こられたのだから。

きっと遠くない未来、この国は頼り甲斐のある国になります。
この国で働くことが誇りであり、得であり、物心両面で報われることが最も多い国になると思います。
皆さんなら必ずできる。
そう期待しています。

どうもありがとう。
これからもしっかりやって下さい。

(小林一三 享年84 これを最後のスピーチにその人生の幕を下ろしたのでした)